2025-06-11
中古の戸建てを購入し、新しい生活を始める際、引き渡し直後の建物の状態に驚く方は少なくありません。
売主側で最低限の清掃が行われていても、長年の汚れや生活臭、そして見えないところに潜むカビや雑菌は、プロの技術でなければ除去できません。
特に、水回りや換気扇といった生活の根幹に関わる部分の汚れは、新生活を快適にスタートさせるための大きな障壁となります。
そのため、中古の戸建てでは、入居前のハウスクリーニングが不可欠となりますが、「どこまで依頼すべきか」「自分でやるメリットとプロに頼むメリットは何か」といった疑問が生じます。
本記事では、中古 戸建て ハウスクリーニングを成功させるための必要性と、依頼する際の費用相場、そして後悔しないための注意点を徹底的に解説します。

目次
中古の戸建ての場合、表面的な清掃だけでは不十分であり、専門的なハウスクリーニングが必要となる明確な理由があります。
中古の戸建てには、前の住人が長年にわたって蓄積させた油汚れ、水垢、ホコリが必ず存在します。
これらの汚れは、素人では落としきれません。
特に、キッチンや換気扇にこびりついた油汚れ、浴室の頑固な水垢や石鹸カスは、市販の洗剤では歯が立たないことが多いです。
また、ペットやタバコによる生活臭は、壁や床材に染み付いているため、ハウスクリーニング業者が持つ専用の薬剤と機器による消臭・脱臭作業が必要となります。
新生活を気持ちよく始めるためのメリットとして、この徹底的な除去は不可欠です。
中古の戸建ての最大の懸念の一つが、目に見えないカビや雑菌の存在です。
これらは健康被害の原因にもなり得ます。
エアコン内部、浴室のエプロン内、そしてトイレの奥深くに潜むカビや雑菌は、アレルギーやぜんそくの原因となることがあります。
ハウスクリーニングでは、これら分解して洗浄することができない部分を、分解・高圧洗浄することで、衛生的な環境を取り戻します。
特に、お子様がいるご家庭では、この徹底的な除菌作業が非常に重要です。
中古の戸建てをリフォームしてから入居する場合、ハウスクリーニングは内装工事で発生した粉塵や養生材の糊残りを処理する役割も担います。
リフォーム後の微細な粉塵は、床や壁の隙間に入り込み、通常の掃除機では吸い取りきれません。
また、窓枠や建具に残った養生テープの糊残りは、放置すると変色や汚れの原因となります。
ハウスクリーニングの専門的な清掃は、これらの工事残渣を完璧に取り除き、新しい内装をきれいに保つための土台を築きます。
中古の戸建ての場合、清掃範囲が広いため、どこまでをプロに依頼するかによって費用が大きく変動します。
中古の戸建てで最も長年の汚れが蓄積しており、かつ自力での清掃が困難な場所は、必ずプロに依頼すべき必須範囲です。
・キッチン: レンジフード(換気扇)の分解洗浄、ガスコンロ(IH)のこびりつき汚れ、シンクや排水口の水垢・油汚れの徹底除去。
・浴室: 浴槽エプロン内部の高圧洗浄(カビ・雑菌の巣)、鏡のウロコ(水垢)取り、壁や床のカビ除去。
・トイレ: 便器の裏側やフチ裏、尿石など、臭いの原因となる汚れの徹底除去。
中古 戸建て一軒家全体のハウスクリーニング(空室清掃)を依頼する場合、建物の広さや状態によって費用が大きく異なります。
一般的な3LDK〜4LDKの戸建て(延床面積100㎡〜120㎡程度)のハウスクリーニングの費用相場は、10万円〜18万円程度が目安となります。
これに加えて、エアコン分解洗浄(一台あたり1万円〜1.5万円)や、窓サッシ・網戸の徹底洗浄、消臭・脱臭作業などがオプションとして追加されると、総額はさらに増加します。
見積もりを依頼する際に、どこまでが基本料金に含まれているかを必ず確認する必要があります。
中古の戸建てならではの特性があるため、ハウスクリーニングを依頼する際にはいくつかの注意点があります。
中古の戸建てのハウスクリーニングは、入居前の空室状態で行うのが原則です。
家具や荷物が一切ない状態であれば、清掃業者は隅々まで徹底的に作業を行うことができ、長年の汚れの除去効果を最大化できます。
リフォームを行う場合は、すべての工事が完了し、内装の養生材などが撤去された最終段階でハウスクリーニングを実施する必要があります。
中古の戸建てには、長年の強い日差しによる床材の変色や、深い傷など、ハウスクリーニングでは除去できない「経年劣化」や「損傷」が多数存在します。
ハウスクリーニングで落とせるのはあくまで汚れであり、変色や傷はリフォームでしか直せません。
事前に清掃業者と現場をチェックし、「これは汚れで落ちるか」「これは劣化で残るか」の線引きを明確にしておくことで、「落ちるはずの汚れが落ちていない」といったクレームや失敗を防ぐメリットがあります。
前の住人の生活臭が強い中古の戸建ての場合、通常のハウスクリーニングだけでは臭いが残る可能性があります。
特に、ペットを飼っていた、喫煙者がいたといった場合は、壁や天井のクロスに臭いが染み付いています。
その場合は、専用のオゾン脱臭機や強力な消臭剤を使った「消臭・脱臭」のオプションを追加する必要があります。
見積もり段階で臭いの懸念を伝え、適切な対策を提案してもらいましょう。
中古の戸建てで新生活を始めるにあたり、ハウスクリーニングは長年の汚れやカビ、そして生活臭といった障壁を取り除き、快適で衛生的なスタートを切るために不可欠な投資です。
特に換気扇や浴室エプロン内部といった自力で手の届かない必須範囲は、プロの技術に任せることで、新居の清潔感が劇的に向上します。
ハウスクリーニングの適切なタイミングや範囲、そして業者選びの注意点を押さえ、気持ちの良い新生活を迎えましょう。

江上 孝明(エガミタカアキ)
株式会社調和プロダクトサービス代表取締役。
NTTに10年間在籍、1996年4月に同社を設立。
前職と全く異なる業界へ参入するも、高い手腕で取引先開拓を実現。
同社の前進となる事業にて、提携先の企業よりハウスクリーニング事業を引き継ぎ
現在、事業規模を引継ぎ時の4倍に成長させることに成功。
新築現場に一作業者として15年間従事していたため、現場での問題点や現場作業者の立場考え方を理解した上での会社経営を行う。
NTT在籍時代に培われたスキルを生かし、クレーム時の迅速な対応と適切なヒアリング
を得意とし、顧客満足度を高めるためのサービス供給を旨としている。
また、自身でも独自に研究を行い、理論的観点から汚れにアプローチするノウハウを多数
蓄積して現場に反映させている。
資格:2級ハウスクリーニング技士(H17.11社団法人 全国ハウスクリーニング協会(※))
※現:公益社団法人 全国ハウスクリーニング協会
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